つげの名産地
つげは 関東以西の本州から九州の暖かい地域に生育しています。
そのなかでも 御蔵島のつげや薩摩のつげなどは、日本のつげのなかでも格別に高品質なつげとして評価されてきました。
「薩摩つげ(さつまつげ)」は鹿児島県の指宿など南薩地方のつげのことです。
高温多雨の薩摩で育つつげは、目が密に詰まっていて固く強く弾力性があり、また特に色艶が美しいのが特徴です。日本のつげの中でも特に黄色いのが薩摩つげです。
指宿地方では、女の子が生まれると庭につげ植え、嫁入りのときに櫛や家具などを作って持たせたといわれています。伊豆七島もつげの名産地です。
特に御蔵島のつげは島柘植(しまつげ)とよばれ、最高級の将棋の駒の材料としても有名です。周囲わずか17kmの小さな島ですが、断崖絶壁に囲まれた島中につげが密生しています。
天然記念物のつげ林
つげは昔から日本の関東以南に自生しています。つげの別名「あさまつげ」は伊勢の朝熊山に自生するつげに因んでつけられました。
愛知県鳳来町黄柳野甚古山には黄柳野ツゲ自生地があり、天然記念物となっています。
福岡県古処山には、特別天然記念物「古処山ツゲ原生林」があり、オオヒメツゲ、アサマツゲ、マルバツゲが自生しています。 林全体の80%以上がつげで占められ、約6,600本のつげが群生しています。
記録によると、古処山のつげの最大のものは幹周り1.7m・樹高12mですが、 樹齢は1,000年を超えていたといわれています。生長がものすごくゆっくりなのですね。